歯ブラシによるブラッシングを、毎日欠かさず行っている方は、昔に比べると非常に増えているようです。しかし、そのブラッシングが正しいものかどうか、考えたことはありますか?
今回は、歯周病の予防を目的とした、正しい歯磨きの方法について考えましょう。
一般的な歯磨きは、歯を綺麗にすることを念頭に置いた、いわば虫歯対策の歯磨きであると言えます。しかし歯周病の予防、進行を緩めるような歯磨きにおいては、歯はもちろん、歯間や歯茎までもがブラッシングの対象となります。
歯周病予防は、まずは歯垢を除去する所から始まります。その歯垢が最も溜まりやすいのが、歯周ポケットです。歯周ポケットを綺麗にすることが重要です。
歯ブラシの毛先を、歯と歯茎の間に、およそ45度のななめ方向に当てます。毛先が歯周ポケットに入っていることを意識しながら、細かく前後に動かしましょう。
歯周ポケットを磨き始めると、出血する場合があります。しかしこれは数日から数週間続けると、自然と出血しなくなります。歯茎に対するマッサージの効果により、歯茎が鍛えられるのです。
歯周ポケットのみでなく、歯の一本一本を磨きましょう。
歯並びの状態によっては、毛先がうまく行き届かない場合もありますので、特に一本一本の歯を磨くよう意識しましょう。シャカシャカと音を立てないと、磨いた気にならないかもしれませんが、ゆっくり小刻みに動かしながら磨いた方が効果的です。
歯ブラシによるブラッシングを、いくら正しく行えたとしても、お口全体にある歯垢のおよそ半数しか取り除けないと言われています。それを補うために、歯間ブラシやデンタルフロスを使い、歯の間の歯垢も取り除きましょう。
これらの道具を使うと、しっかり歯磨きした後にも関わらず、黄色くぬるぬるとした歯垢がたくさん取れることに驚かれるかもしれません。歯ブラシによるブラッシングでは、限界があるのです。
一般には、歯周病対策のための歯磨き粉なども販売されています。これらを使用することは有効ですが、チョイスを誤ると逆効果であると言えます。
なぜなら、過度に泡だったり、メンソール効果の強い歯磨き粉を使ったりすることで、十分なブラッシングが出来ていないにも関わらず、過度の清涼感を感じてしまうからです。歯垢が残っていても、綺麗になってしまったと錯覚するのです。
もちろん歯に有効な成分が含まれてはいますが、正しいブラッシングが第一という事を、忘れないようにしましょう。
これらのブラッシングを、一日に一度から二度、意識的に7~8分間かけて行うようにしましょう。
早く済ませたいという気持ちが出ては、ブラッシングが疎かになってしまいます。テレビを眺めつつ、または入浴しながらなど、リラックスできる状態で歯磨きを行いましょう。
歯周病は歯の寿命を縮め、あなたから食事の楽しみを奪い去ってしまうことになります。なるべく早いうちから、歯周病を意識したブラッシングを始めましょう。
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